この闘病記録は、『時空を超えて! インターネットが無かったら20世紀の治療を受けていた!』の第二弾です。

第U弾では、「Part IIIを書く事態にならないよう私自身の健康を祈りつつ、Part IIを終わりたい。」としたものの、残念ながら三度目の登場に至るはめになりました。

今回、二つ目の下咽頭がんが発見され、これに対する全身麻酔下での内視鏡的粘膜切除術(EMR)を受けましたので、その概要を報告します。今回をもって、4個目のがん、5回目の治療となりました。


【4個目のがんの発見と5回目の治療】

2005年

4月18日: 6ヶ月検診

食道及び下咽頭の細胞をピックアップ

「下咽頭がかなり怪しいですね。」とのこと

4月26日: 上記の検査の結果、下咽頭からピックアップした細胞ががんであることが判明

2002年8月に行った治療と同様、咽頭は傷みに敏感であるため全身麻酔下でのEMRを行うことに

6月 9日: 5月下旬の入院を予定していたが、病院が空かず、延期の末ようやく入院

東病院4階の頭頚科の病棟へ

1回目と同様、内科、頭頚科及び麻酔科が連携し、懇切丁寧な説明が始まる

頭頚科の医師は、EMRによって腫れが生じ呼吸困難になった場合、喉に気道確保用の一時的な穴を開けるために参加するとのこと

手術の準備としての尿、血圧等の検査が始まる

6月13日: 夕刻からEMR

内科の武藤先生(主治医)及び東先生、頭頚科の山崎先生及び竹村先生を含む総勢7,8人のグループが担当

麻酔を注入すると、あっという間に効き、眠りに

眼が覚めたら喉の痛みと熱っぽさを感じ、全てが順調に終了したことを理解

喉が無事なことが分かり、今回も、頭頚科の先生の出番がなかったことが分かりほっとする

6月17日: 喉の痛み、発熱(微熱)などがあったものの、順調に回復し予定より早めに退院

6月20日: 退院後の内視鏡検査

治療跡が潰瘍になっているものの、異常なしとのこと

7月25日: EMR1ヶ月目の内視鏡検査

また怪しい部分があるため、細胞をピックアップ

不安を感じる

8月16日: 上記生検の結果、異常なし

しかしながら、未だ、「前がん細胞」が存在するため、今後も慎重に経過を見る必要があるとのこと

「前がん細胞」の写真を見た感じでは、既に切除したがん細胞の顔付き(蜂の巣を上から見たような感じ)とそっくりであった

予防と早期発見、早期治療が課題であると理解

【がん治療の履歴】

結局、私のがんにかかわる履歴は、今回を含め下表のようになった。

時期
ガンの発見
治療
闘病記
2001年 12月 @食道がん   PART I
2001年 2月   @に対するEMR(入院7日間)
7月 A食道がん Aに対するEMR(入院3日間) PART II
8月

B咽頭がん
C「A食道がん」SM浸潤判明

Bに対する全身麻酔下でのEMR(入院14日間)
9月〜11月   Cに対する放射線・抗がん剤併用療法
(入院24日間、通院による放射線治療20日間)
2003年   (3ヶ月検診、異常なし)    
2004年   (6ヶ月検診、異常なし)    
2005年 4月 D咽頭がん   PART III
6月   Dに対する全身麻酔下でのEMR(入院9日間)


【がんと「重複がん」】

国立がんセンターのホームページによると、食道がんの説明では、

「食道がんにかかる方は咽頭(のど)や口、喉頭などにもがんができやすいですし、咽頭や口、喉頭などのがんにかかられた方は食道にもがんができやすいことがわかってきました。」

と記述され、下喉頭ガンの説明では、

「下咽頭がんが発見された方の25〜30%に、食道がん(転移ではなく全く別のがん)が見つかっており、これを重複がん(同じ方に2つ以上の別ながんができること)といいます。これは食道がんの発生も下咽頭がんと同様に、飲酒や喫煙と深い関係があることが原因と考えられています。特にもともとはお酒が弱い体質なのに、鍛えて鍛えて強くなった方に下咽頭と食道の重複がんが多いことが最近の研究でわかってきました。」

と記述されている。私のがんは、まさに教科書どおりのようだ。

私は、計4箇所のがんを経験し、更に下咽頭には前がん細胞が有している。今後、変異してがんに至る可能性が高く、何時、がんと決別できるか目途が立たない状況にある。また、今回、頭頚科に入院して最も強く感じたことは、がん経験2回目以降の患者が実に多いということであり、上記ホームページの記述の妥当性を強く感じた。

食道がん経験者は、「重複がん」に対して細心の注意を払う必要がある。このためには、定期検診による早期発見及び早期治療はもちろんのこと、如何にしたらがんの発生を抑制できるかについても考える必要がある。

4月26日、武藤先生から、「下咽頭には、未だ前がん細胞がある。お酒を止めないと、またがんが発生する。」旨の説明があった。晩酌を止めるか人間を止めるかを考えた結果、それ以来、前者を止めることにした。


【がんの予防】

がんの経験者にとって、怖いことの一つは、「再発」である。また、上で述べたように、食道がんと「重複がん」は切っても切り離せない関係にある。つまり、食道がんの経験者にとって、がんの予防は極めて重要かつ深刻な課題である。

がんの予防といえば、高価でいかがわしいサプリメントを思い浮かべる。もちろん、がん経験者の多くが、何らかのサプリメントを利用している又はしたことがあるという事実を考えれば、それも重要ではある。しかしながら、サプリメント以外にも、我々が日々の生活に応用可能な分野として、「食事」、「心」、「運動」、「免疫」、「呼吸」などのテーマがあり得る。

今後、オミノ氏のホームページを通じ、がんの予防に関する情報も交換できれば幸いである。


【ガン治療の経費】(参考)

「命が危ないのに金の話は不謹慎」ということか、治療に必要な経費の話題は出にくいようです。しかしながら、がん治療といえども経費を全く無視するわけにはいきません。特に、初めてがんを経験し、初めて「国立がんセンター」で治療する患者及びその家族にとっては、やはり気になるところです。

このような認識から、私が支払った主な経費を下表に掲げます。東病院において治療を受けようとする方の参考になれば幸いです。

No.
治療内容
入院日数
経費(円)
備考
1回目 内視鏡的粘膜切除術
7日
56,350
 
2回目 内視鏡的粘膜切除術
3日
38,180
 
3回目 内視鏡的粘膜切除術
14日
121,460
全身麻酔下
4回目 放射線抗がん剤併用療法
24日
149,890
 
5回目 内視鏡的粘膜切除術
8日
122,360
全身麻酔下

注1: 経費は、保険を利用しての30%支払い額
注2: 通院による放射線治療は、約2000円/回
注3: 通院による食道拡張術は、約5000円/回
注4: 病院へ直接支払った経費以外の経費及び通院による検査のための経費は省略

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